「ジョジョの奇妙な冒険・ファントムブラッド」感想
だいたいそんな感じ
いや、正直な話、最初から嫌な予感はしてました。
そもそも第一報は三年前。発表されたかと思えばそれっきり音沙汰なしで、やっと2005秋に公開が決まったかと思えばまた延期。そしてファンを驚愕させた「スピードワゴン削除」の報せ。ゲーム版のションボリな出来。本来アニメーターであるはずの羽山淳一氏への監督交代。その何となく後ろ向きでテンションの低い発言の数々…
数々の疑問は、2月12日の試写会のニュースをみた時に確信に変わりました。
「劇場版はまだまだクオリティが上がります！！」
…それってまだ未完成って事ですよね？全国公開まであと一週間っていう段階で…
んで「こいつぁ期待してると痛い目見るな…」と思ってたんですが、実際に観てみれば予想通りの出来でございました…orz
尺が短いのはしょうがないし、それゆえエピソードやキャラクターがカットされるのもまた仕方なかろう。
ただなんと言いますか…取捨選択をことごとく間違えてるなぁ、という印象。
マニアには物足りないし、詳しく無い人にはいまいち説明不足。あとラストの駆け足っぷりは異常。
以下、気になった点を箇条書き。
○全体的に見て、作画のクオリティのばらつきが気になりました。特にちょっと引いたアングルとか、少年時代の顔とか結構タッチの変化が激しい…
○音楽は相変わらずいい仕事してます。波紋のエフェクトもいい感じ。主題歌も雰囲気合ってると思います…音関係はホント大満足なんだけどなぁ…
・ディオのイジメに「枕の中に針を仕込む」という陰湿なものが追加。さすがにそれはキャラ違うだろｗｗｗ
・ボクシングシーンカットorz
・「そこに痺れる」カットorz
・エリナの性格ちょっと変わってる…？アレはアレで可愛いけど。
・ディオとは和解せずギスギスしたまま青年期へ。ここは違和感なしでいい感じ
・スピードワゴン関係全部カットorz orz orz orz
・「ＵＲＲＹＹＹ！」が時々言えてないグリーンリバー。でも「貧弱貧弱ゥ！」はカッコよかった。
・暖炉から脱出しただけであの大爆発はないだろ…常識的に考えて
・バラの花もってキザなセリフ言うツェペリさん。イカスｗこのバラが後に…
・窓の近くにあったバラの花瓶がベッド脇まで瞬間移動…ｵｲｵｲ
・ウィンドナイツ・ロットが村ではなく廃城に。由来などの説明特になし。住人はじめ怪人ドゥービーや切り裂きジャックも丸々カット。
・↑の変更の結果、現地で披露された「水の上を歩く」「丘の上の岩を砕く」といった波紋の応用法が、修行中の描写に用いられている。これは「修行」に説得力が出ていいカンジ。
・しかし何故にズームパンチを無かった事にしますか…orz
・「お前は今までに食ったパンの枚数を」カット…な、なぜ？カットする必要性が全然感じられない…もっと削るべき所は他にあるんじゃないか？
・ワラワラと湧き出るゾンビを前にして「ショウタァーイム！」と見得を切るツェペリさん。カッコよすぎｗｗｗｗ
・ゾンビをなぎ倒しながら城を駆け上るシーンは、疾走感抜群でいい感じ。もっと見たかったな…
・タルカス＆ブラフォード登場！しかし次の瞬間城の変形に巻き込まれてジョナサンもろとも血の池に転落。そのままご退場…あまりの急展開にしばし呆然。なにこのソードマスターヤマト。
・何故かいきなり捕まっているジョナサン…
・タルカスの剣（？）に波紋を込め、ツェペリさん登場。ココは理屈ぬきにカッコイイ。つぅか明らかにジョナサンより目立ってるな…
・気化冷凍法の説明無し。
「凍っているのか！？」
「凍った身体に波紋が流せるかッ！」
という短いやり取りで察しろ、という事らしい。
さすがに説明不足だろ…さらにその前の戦闘でジョナサンが、波紋で氷をぶち破る描写があったために、さらにわけがわからなくなっている。つうか脚本何も考えて無いだろコレ。
・「波紋入りのバラのトゲは…痛かろう…」がなんとツェペリさんのセリフに。病室で拝借したバラを後生大事にしまっていたのはこの伏線だったというわけか。わかるかそんなもんッ！
…出番はおろかか名台詞まで奪われたダイアーさんに合掌。
・身体真っ二つにされたわりには割りと元気なツェペリさんが気になった。髪も黒いまんまだったし…原作では、白髪になる事で「命を使い果たした」という表現をしていたのだが…
・最後の決着も一瞬。「え？終わり」ってくらいに一瞬で終わる。ただコレはコレで、ダラダラ続くよりは緊張感あっていいかもしれない。ジョナサンに一瞬ツェペリさんの姿がダブる演出が燃える…！「震えるぞハート！」のセリフをココまで大事に温存しておいたのも、いい結果になってると思われ。
・リサリサ（赤ん坊）カット。エリナは船員に救出され普通にボートで脱出…まぁ「二重底でした」って説明よりかは納得いくような。
ファンとしては色々と不満の残る出来ですが…製作状況が色々ととんでもない事になってたらしく（羽山氏の総監督就任からしてすでにありえない。能力云々の問題ではなく、イチローや松井がピッチャーやる様なもの）強く非難する気持ちにはなれないのが正直な所。つうか99年度版のＯＶＡも途中で監督が降ろされるわ二代目は逃げ出すわでろくな事になって無いんですが、ジョジョの映像化って、なんか悪い力でもはたらいてるんでしょうかね…？
一応すでにＤＶＤ化に向けて修正作業は始まっているようなので、できるならＤＶＤ待った方が賢いかもしれませんね。
多分そこまで大差ないと思うけど。